外壁塗装の劣化原因と具体的な12個の症状を徹底解説

外壁は、どのような対策を施したとしても、日々劣化してしまいます。
なぜなら、以下のような原因を避けられないためです。

しかし、劣化した外壁に対して何もしないと深刻な問題に発展してしまいます。
そうならないためにも、定期的な外壁塗装が不可欠なのです。

ただ外壁が劣化することでどのようなリスクがあるか、しっかりご存知ない方も多いでしょう。
そこで、この記事では外壁塗装会社マスカットホームが、以下についてわかりやすく解説していきます。

安全かつ快適に暮らすために知っておくべき内容となっていますので、ぜひ最後までチェックしてみてください。

【塗り替えサイン】外壁塗装の劣化症状のセルフチェックリスト

外壁が劣化してきたら、外壁の塗り替えのサインです。
劣化は段階によって症状が変わってくるので、ここでは危険度ごとの劣化症状を見ていきます。

次で紹介する症状が出てきている場合は、外壁塗装業者に相談するようにしましょう。

【危険度：低】メンテナンスの検討をオススメ

まずは、今すぐ重大な問題に発展するわけではないものの、外壁の保護機能が低下してきている初期の症状を見ていきましょう。
ここで紹介する症状が出ている場合は、メンテナンスの計画を考え始めることをオススメします。

ツヤがなくなる

外壁が劣化してくると、塗装表面の光沢が失われ、マットな質感に見えるようになります。
塗膜の最も表面にある樹脂層が、紫外線のダメージによって分解され始めた時に生じる症状です。

ツヤがある状態だと水はけもよく、紫外線から守ってくれるので、耐候性が高い状態を維持できます。
しかし、新築時や前回の塗装直後と比較して、特に日当たりのよい南側・西側の壁からツヤがなくなってきます。

ツヤがなくなることで防水性がすぐに失われるわけではありません。
ですが、後述のチョーキングが起きる原因にもなります。

汚れ

雨風が原因で、外壁が黒ずんだり汚れが付着することがあります。

特に、塗料の性能が落ちてきていると起きやすいです。
具体的には、塗料が本来持っている、汚れを雨で洗い流す「セルフクリーニング機能」、汚れの付着を防ぐ「低汚染性」が低下していることが原因です。

実際マスカットホームにご相談いただくお客様から「ご近所の手前、見た目が気になって…」というお悩みを聞くことがあります。
気にならない方もいるかもしれませんが、景観に影響が出ます。

汚れが付着しやすい壁は、この後出てくるカビやコケの温床になる可能性があるため注意が必要です。

外壁の色が変わってくる

特に色の濃い外壁で、色が薄くなって白っぽく見える状態です。

紫外線によって、塗料の色を構成している「顔料」という成分が破壊されるために起こります。
チョーキングが起きて、耐候性が低い状態で雨風を受けることで劣化することが多いです。

お客様からも「西日が当たる壁だけ特に色褪せが目立つ」という声が多く、方角によって劣化の進行度が変わる典型的な例です。

なお、色が濃い方が色褪せが目立ちやすく、白に近いほど目立ちにくくなります。
ただし、真っ白の外壁色だと、チョーキングは目立ちませんが、汚れが目立ってしまいます。
そのため、グレー・アイボリー・ベージュのような色が人気です。

見た目の古さだけでなく、塗膜の主成分が破壊され始めているサインなので、外壁のメンテナンスを検討することをオススメします。

チョーキング

チョーキングは、手で触ると粉っぽい状態のことをいいます。
上述の通り、チョーキングは紫外線によるツヤの劣化が原因で起きることが多いです。
紫外線や雨風によって塗膜の樹脂が劣化・分解され、中に含まれていた顔料が粉状になって表面に浮き出てくるために起こります。

西日が直で当たる家はチョーキングしやすかったり、逆に家の北面は起きにくいなど住環境によって起きやすさは変わります。
なお、ラジカル水溶シリコンや無機塗料は、チョーキングの原因となるラジカルの発生を抑えることが可能です。
そうでない場合、10年経っている家は基本的にチョーキングが起きます。

チョーキングは、マスカットホームが診断する現場で最も多く見られる劣化症状で、誰でも簡単に確認できます。

【危険度：中】早めの専門家への相談がオススメ

続いて、中期に出てくる外壁劣化の症状を見ていきましょう。
外壁の保護機能がかなり低下してきており、建物の寿命に影響を与え始める段階です。

見つけた場合は早急な対応が必要です。

シーリングの傷み・剥離

まずは、シーリングの傷み・剥離です。

サイディングボードの継ぎ目を埋めているゴム状のシーリング材が、硬くなってひび割れしたり、痩せて細くなって壁との間に隙間ができたりする状態です。
これらの症状は、以下のような原因により発生します。

経年劣化以外は、信頼できるプロの外壁塗装会社に依頼すれば、ある程度避けることが可能です。

この症状はチョーキングに次いでよく見られるもので、雨水の最大の侵入口となります。
この隙間から雨水が壁の内部に侵入して見えない部分の下地を腐らせる、雨漏りを引き起こす原因になるものです。

クラック

クラックは外壁がひび割れてくる症状のことです。
家の揺れの長年の蓄積や重力による外壁への負担により発生します。
幅0.3mm未満の、髪の毛ほどの細いひびです。

外壁の種類により、以下のように起きやすさが変わります。

実際にあった事例として、施工不良があり、本来の膜圧に満たないモルタルがついていたため、クラックが起きていたことがありました。

今すぐ雨漏りに進展する危険性は低いですが、毛細管現象によって雨水を吸い上げてしまい、内部の劣化をじわじわ進行させます。

コケカビ

次に、カビやコケの発生です。
日当たりの悪い北面や、植木・塀などで風通しが悪い場所に発生しやすいです。

カビやコケは以下の工程を経て発生します。

カビやコケを放置すると、木造建築の場合は内部まで腐敗が進むことがあります。
外壁塗装では修復不可能な状態になり、外壁の張り替えや、最悪の場合立て直しが必要なケースにつながることもあります。
また、胞子が室内に入り込むことでアレルギーや喘息の原因になるなど健康リスクが出ることも。

なので、カビやコケに気づいた場合、早急な対応がオススメです。

目地（コーキング）の剝がれやひび割れが生じる

目地（コーキング）の剥がれやひび割れも、外壁塗装の劣化の症状のひとつです。
コーキングは軟らかい素材ですが、経年劣化によって硬くなり、家の揺れが長年蓄積することや紫外線によって剥がれやひび割れが発生します。

たとえば、8cmで打ったコーキングが縮んで硬くなり、5cmになったりすることがあります。
そうなると、下地が見えてしまうようなケースも少なくありません。

このような場合は、下地から雨水や湿気が侵入し、建物内部の腐敗の原因につながることがあるので、早めの対応が必要です。

外壁塗膜が膨れてくる

外壁塗装の劣化により、外壁塗膜が膨れてくることもあります。
これは、雨が外壁材に入ったり、湿気が溜まったりすることで、塗膜の中から膨れが生じるものです。

傾向としては、以下のように分かれます。

土の上に塀を立てている場合、土に水やりをしていたところ、水分が上がってきて塀の塗膜が膨れているケースもあります。

【危険度：高】放置は非常に危険なため、すぐに専門家へ

上記で挙げた初期・中期の症状を経て、外壁塗装を行わないと建物の構造自体にダメージが及んできます。
具体的には、以下のような症状です。

これらの症状が出てきたら、早急な対応が不可欠なため、すぐに専門家を呼ぶことをオススメします。
具体的にどのような症状か見ていきましょう。

雨漏り

雨漏りは、外壁の防水機能が完全に破綻し、室内の壁紙や天井にシミやカビとなって現れるものです。
基本的には以下のような流れで発生します。

マスカットホームで実際に対応したお宅でも、「明らかな雨漏りの跡」があり、内部の柱が腐食寸前だったケースがありました。

雨漏りが発生することでシロアリの発生につながることもあるので、早急な対応が不可欠です。

触ると外壁材が剥がれる症状（明らかな傷み）

雨漏りと同様の流れで、外壁材が剥がれてくることがあります。
長年にわたって雨水の侵入を放置した結果、外壁材が常に水分を含んで脆くなり、強度を失ったことが原因です。

外壁材が剥がれることで、ほかの深刻な問題につながることがあります。
後述の大規模な修繕の必要性の向上につながることもあるので、早急な対応が不可欠です。

クラック幅が増えて下地が見えてきている

クラックが深刻化すると、クラック幅が増えて下地が見えてくることがあります。

地震などの外的要因、建物の構造的な歪みによって発生します。
塗膜だけが割れているクラックに対し、外壁材自体が割れている状態です。

そうなると雨水が侵入するなど、別の問題につながる可能性があります。
実際にマスカットホームでは、大きなクラックから雨水が侵入し、内部の防水シートまで劣化させていたことがありました。

建物の強度自体にも影響を及ぼすため、早急に塗装業者へ相談するようにしましょう。

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外壁が劣化する4つの原因

まずは、外壁が劣化する4つの主な原因について見ていきましょう。
基本的には、外壁が劣化するのは以下の原因によるものです。

それぞれ具体的にどういうことか見ていきます。

劣化原因1：太陽光（紫外線）

ひとつ目の原因は、太陽光（紫外線）によるものです。
紫外線により以下のような現象につながります。

以上のような現象は、大抵10年ほど経つと出てきます。

劣化原因2：雨風

つぎに、雨風でも外壁の劣化につながります。
雨風が主な原因として発生する現象は、以下のようなものです。

上記のような現象は、建物に大きなダメージとなる可能性もあります。

劣化原因3：経年劣化

最後に、経年劣化も外壁劣化の原因のひとつです。
経年劣化すると、以下のような現象が起きます。

経年劣化は避けられないものですが、塗装することで劣化のスピードを遅くすることは可能です。

劣化原因4：施工不良

塗装工事から時間がたっていない（目安は一年）にも関わらず、下記のような症状が出る場合は施工不良の可能性があります。

「下地処理の不足やミス」「塗料や素材の選択ミス」「職人や業者のスキル不足」が施工不良が起きる要因です。
このような施工不良を防ぐには、信頼できる外壁塗装業者へ依頼することが不可欠です。

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上記のような症状が出てくるとどのようなリスクがあるでしょうか？

外壁が劣化した状態で放置することによるリスク

外壁が劣化した状態で放置することは、さまざまなリスクがあります。
具体的にどのようなリスクがあるか見ていきましょう。

雨漏りやシロアリ発生による健康被害の可能性がある

雨漏りやシロアリ発生につながることもあります。
劣化が進んで、水はけが悪い状態、雨漏りやシロアリの原因になってしまうのです。

まず、屋根がほとんどですが、外壁の劣化により雨漏りが発生することがあります。
具体的には、雨漏りは以下のように発生します。

つぎに、シロアリは木造の家に出ることがあります。
シロアリは、日陰・湿気・腐敗が好きなので、以下のような状態になると発生しやすいです。

雨漏りやシロアリが発生すると、当然修繕費用は高騰し、最悪建て替えが必要になることもあります。

建物が劣化しやすくなる

外壁塗装を行わないと建物が劣化しやすくなります。
経年劣化が起きている状態は、以下が落ちてしまっており劣化しやすい状態と言えます。

もちろん、「建材」「壁材」「屋根材」には耐久年数があるため、経年劣化は避けられません。
しかし、外壁や住環境にあった塗料、優良な外壁塗装業者に依頼することで、耐久性を長持ちさせることは可能です。

断熱効果低下によりエネルギー効率の低下につながる

外壁の劣化が進むと、チョーキングにより断熱効果が下がってしまいます。
そのため、劣化の放置は断熱効果の低下、そしてエネルギー効率の低下にもつながってしまいます。

具体的には、外壁塗装を行っていないと、定期的に外壁塗装を行っている場合と比較すると、

• 夏場：冷房の設定温度が下がる
• 冬場：暖房の設定温度が上がる

ということになるわけです。

当然そうなると電気代の高騰につながってしまいます。

カビやコケによる健康被害が生じる可能性がある

外壁塗装を怠ると、カビやコケが発生することがあります。
カビは気化するため、湿気のにおいが強いときはカビを吸っている可能性があります。

その結果、以下のような健康被害につながるかもしれません。

一見、外壁塗装と健康は無関係と思えても、このようなリスクがあるのです。

修繕が必要になった際に、大規模な修繕が必要になる

経年劣化を放置すると、建物内部まで痛んでしまうことがあります。
その結果、外壁塗装だけに留まらず、大規模な修繕が必要になることがあります。

そうなってしまうと、塗り替え（100～200万円）では済みません。
具体的には、以下の修繕が必要となるケースがあります。

このようになる前に、定期的に外壁塗装を行うことで、メンテナンス費用を抑えることが可能です。

外壁の劣化症状に応じたメンテナンス方法と費用相場

それでは、外壁が劣化したときの対策はどのように行えばよいでしょうか？
劣化症状に応じたメンテナンス方法と費用相場を見ていきましょう。

部分的な補修

劣化がごく一部で限られている場合は、部分的な補修で済みます。

問題が発生している箇所だけをピンポイントで直すので、大掛かりな足場の設置や長い工期が不要です。
部分補修で済むのは以下のようなケースです。

具体的な補修内容や費用については、以下で解説しています。

外壁は部分補修できる？その判断危険かも？費用や補修内容を徹底解説

詳しくは上記の記事を参考にしてみてください。

外壁塗装

次に、外壁塗装の方法と費用について見ていきます。
チョーキングや色あせなど、外壁全体の保護機能が落ちてきた時に行う標準的なメンテナンスです。

新しい塗膜で外壁をコーティングすることで、防水性や防汚性を回復させることに加え、美観性の維持につながります。
塗る塗料の種類や面積によって費用が異なりますが、詳しくは以下の記事で解説している通りです。

外壁塗装の費用相場完全ガイド！プロが教える節約術まで徹底解説

25坪くらいの一般的なお住まいの場合は、140～160万円程度です。
ご自身の家の相場を見極めるには、2～3社に相見積もりを取るのがオススメです。

重ね張り（カバー工法）・張り替え

外壁の劣化が深刻になると、通常の塗り替えではなく、重ね張り（カバー工法）や張り替えが必要となります。

全面張り替えも部分張り替えもあります。
外壁の張り替えは、塗装会社ではなく張り替え専門業者に依頼しましょう。
費用の目安は以下の通りです。

張り替えの方がカバー工法よりも少し高くなります。
また、外壁をめくってみると下地が悪く、補強が必要な場合、費用がプラスになることもあります。

張り替えにならないためにも、定期的に外壁塗装するようにしましょう。

まとめ

この記事では、外壁の劣化原因から具体的にどのような症状が出るかを解説してきました。
実際にご自宅の外壁の状態をチェックし、症状が出ていると感じた方は早急に外壁塗装会社へ依頼することをオススメします。

また、10年以上外壁塗装をしていない場合も、一度状態のチェックをしてもらった方がよいです。
定期的な外壁塗装により、より長く今の家に快適に住めることになるので、ぜひ参考にしてみてください。